SDGsとは何か ― 17の目標と日本の取り組みを、わかりやすく整理する
SDGsとは、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」の略称です。17の目標という体系のもと、貧困や気候変動といった地球規模の課題に、日本を含む世界各国が取り組んでいます。

SDGsとは何か ― 17の目標を一覧で見る
SDGsとは何かを一言で言えば、2015年9月にニューヨークの国連本部で採択された「持続可能な開発目標」を指す言葉です。国連加盟国の全会一致で採択された「2030アジェンダ」という文書の中核をなす目標群で、2000年から2015年を期限としていたMDGs(ミレニアム開発目標)の後継にあたります。MDGsが主に開発途上国の貧困・保健課題を対象としていたのに対し、SDGsは先進国も含めたすべての国を対象とし、環境・経済・社会をより幅広く統合した目標体系へと発展しました。
SDGs 17の目標 一覧を、まずは一通り確認しておきましょう。以下の17分野が、2030年までに目指すべき目標として設定されています。
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- 目標1: 貧困をなくそう
- 目標2: 飢餓をゼロに
- 目標3: すべての人に健康と福祉を
- 目標4: 質の高い教育をみんなに
- 目標5: ジェンダー平等を実現しよう
- 目標6: 安全な水とトイレを世界中に
- 目標7: エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 目標8: 働きがいも経済成長も
- 目標9: 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 目標10: 人や国の不平等をなくそう
- 目標11: 住み続けられるまちづくりを
- 目標12: つくる責任 つかう責任
- 目標13: 気候変動に具体的な対策を
- 目標14: 海の豊かさを守ろう
- 目標15: 陸の豊かさも守ろう
- 目標16: 平和と公正をすべての人に
- 目標17: パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsを貫く基本理念として、17の目標そのもの以上にしばしば引用されるのが「誰一人取り残さない(leave no one behind)」という原則です。これは2030アジェンダの前文に明記された言葉で、特定の国や特定の層だけを対象にした開発目標ではなく、格差の底辺にいる人々まで含めたすべての人を視野に入れる、という姿勢を示しています。SDGsとは何かを理解するうえでは、個々の目標の内容以上に、この基本理念を押さえておくことが実は近道になります。
SDGs 17の目標 一覧をこうして並べてみると分かるとおり、それぞれの目標は独立した課題ではなく、互いに深く絡み合っています。ここでは特に、貧困・ジェンダー・労働・環境・平和というテーマに関わりの深い目標をいくつか取り上げ、具体的な事例とあわせて見ていきます。
目標1「貧困をなくそう」と世界の貧困ライン
SDGs 目標1「貧困をなくそう」は、あらゆる場所であらゆる形態の貧困を終わらせることを掲げています。ここで基準となるのが、世界銀行が定める国際的な指標です。世界の貧困ライン とは、購買力平価(PPP)に基づいて算出される、1日あたりの生活費の下限を示す基準であり、これを下回る状態が「極度の貧困」とされます。この基準は経済状況の変化に応じて、これまでにも見直しが重ねられてきました。
SDGs 目標1 貧困をなくそうというターゲットの達成度を測る際には、世界の貧困ライン とはどのような基準かを理解しておくことが欠かせません。基準となる金額は生活コストの実態に応じて改定されており、直近では1日2.15ドル(購買力平価ベース)という水準が国際的な目安として用いられています。
干ばつや天候不順によって貧困が固定化しやすい地域や、大規模な自然災害からの復興の途上にある地域は、まさにこの目標1のターゲットと直結しています。紛争や自然災害からの復興過程においても、SDGs 目標1 貧困をなくそうという目標は特に重い意味を持ちます。貧困の削減は単独の政策で完結する課題ではなく、教育・インフラ・気候変動対策など、他の目標とも密接に結びついているのです。
目標5「ジェンダー平等」という視点
SDGs 目標5 ジェンダー平等は、すべての女性・女児に対する差別の撤廃と、公的・私的な意思決定への平等な参加を目指す目標です。児童婚の撤廃も、この目標の明確なターゲットの一つとして位置づけられています。結婚や出産の年齢が、女性の教育機会や経済的自立を大きく左右するという構造は、SDGs 目標5 ジェンダー平等をめぐる議論の中心的なテーマの一つです。
目標8・目標12 ― 働き方とサプライチェーンの課題
SDGs目標8「働きがいも経済成長も」は、児童労働の撤廃を含む、安全で公正な労働環境の実現を掲げています。縫製産業のような労働集約型の産業では、賃金水準や労働安全の確保が長年の課題とされてきました。さらに目標12「つくる責任 つかう責任」は、生産から消費に至るまでのサプライチェーン全体の責任を問う目標であり、サプライチェーンに残る児童労働の構造とも直接関わっています。こうした産業横断的な課題に対しては、単一企業の努力だけでなく、業界団体や国際的な認証制度を通じた基準づくりが進められてきました。原材料の調達段階まで遡って労働環境を確認する「サプライチェーン・デューデリジェンス」という考え方も、近年急速に広がっています。
目標16「平和と公正をすべての人に」
紛争を経験した地域の復興は、目標16「平和と公正をすべての人に」と深く関わるテーマです。内戦後の地雷撤去や社会再建に取り組んできた地域では、司法制度や行政機構そのものを立て直す作業が、平和の定着と並行して進められてきました。平和は単に戦闘が止むことではなく、公正な制度が機能して初めて持続する、という考え方がこの目標の根底にあります。汚職の防止や、出生登録をはじめとする法的な身分証明の整備も、目標16のターゲットに含まれており、一見地味に見えるこうした行政基盤こそが、他の目標を実現するための土台になっています。
日本におけるSDGsの取り組み
SDGs 日本の取り組みは、政府と企業の双方で進められてきました。日本政府は2016年、内閣総理大臣を本部長とする「SDGs推進本部」を設置し、実施指針や具体的なアクションプランを策定しています。地方自治体が独自の取り組みを提案する「SDGs未来都市」の選定制度なども整備され、国レベルの方針を地域レベルの実践につなげる仕組みが作られてきました。
政府の推進体制
SDGs推進本部のもとでは、毎年「SDGsアクションプラン」が策定され、外交・経済・環境など各分野の施策がSDGsの枠組みに沿って整理されています。省庁横断的な取り組みが求められる点が特徴で、単独の省庁だけでは対応しきれない課題を、横串を通す形で扱おうとする試みだと言えるでしょう。
開発途上国への政府開発援助(ODA)も、SDGsの目標達成に資する形で運用されるよう位置づけが見直されてきました。国際協力機構(JICA)が展開する技術協力や人材育成支援の多くも、教育・保健・水資源といった個別の目標と結びつく形で実施されています。
企業のSDGs経営
企業の側でも、SDGsを経営戦略に組み込む動きが広がっています。日本経団連は「Society 5.0 for SDGs」という考え方を掲げ、技術革新による経済成長と、社会課題の解決を両立させる方向性を打ち出してきました。投資家がSDGsへの取り組みを評価基準の一つとするようになったことも、企業が経営方針を見直す後押しになっています。SDGs 日本の取り組みという言葉で検索する人の多くは、こうした企業の情報開示や商品ラベルを見て興味を持ったケースも少なくないはずです。
特に上場企業にとっては、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資という観点から、SDGsへの取り組み状況が投資判断の材料として意識されるようになっています。統合報告書やサステナビリティレポートの中でSDGsとの対応関係を明示する企業も、年々増加してきました。機関投資家が投融資先に対してSDGs関連の非財務情報の開示を求める動きは、上場企業に限らず、取引先である中小企業にまで徐々に波及しつつあります。
もっとも、実質が伴うとは限りません。ロゴやバッジを掲げるだけで、事業内容や労働環境の実態が伴っていない事例は「SDGsウォッシュ」と呼ばれ、批判の対象になってきました。看板だけを掲げて中身が伴わないのであれば、それはSDGsが目指す方向性そのものへの信頼を損ないかねません。透明性のある情報開示と、外部からの検証可能性こそが、見せかけの取り組みと実質を伴った取り組みを分ける分水嶺になります。
SDGsをわかりやすく理解するための視点
SDGsをわかりやすく理解するには、17の目標を暗記しようとするより、自分の生活や仕事とどこで接点があるかを探すほうが近道です。少し話がそれますが、日本では丸くて色とりどりのSDGsバッジを胸元につけているビジネスパーソンをよく見かけます。あなたも、電車の中や商談の場でこのバッジを目にしたことがあるのではないでしょうか。あの17色は、そのまま17の目標それぞれに割り当てられた色であり、単なる装飾ではなく目標の体系そのものを示す記号なのです。難しい専門用語を並べるより、こうした身近な例に置き換えて考えるほうが、SDGsをわかりやすく捉える近道になります。
個人にできること
食品ロスを減らす、節電・節水を意識する、フェアトレード商品を選ぶ。こうした日常の選択も、SDGsの目標に確かにつながっています。壮大な国際目標に見えても、実際には一人ひとりの消費行動や情報の受け取り方の積み重ねが土台になっているのです。SDGsに関連する認証ラベル、たとえばフェアトレード認証や森林認証がついた商品を選ぶことも、消費者の側からできる具体的な一歩だと言えるでしょう。認証制度そのものが完璧というわけではありませんが、生産の背景を意識するきっかけとしては十分に機能します。
SDGs 達成度ランキング 国別という評価軸
SDGs 達成度ランキング 国別の順位は、国連の公式報告に加え、独立系のシンクタンクが毎年公表する評価によっても示されています。日本は健康・教育・インフラ関連の指標で比較的高い評価を得る一方、ジェンダー平等や気候変動関連の目標では、他の先進国と比べて評価が伸び悩んでいるとの指摘が繰り返しなされてきました。総合順位が上位グループに位置しているからといって、すべての目標で高い水準にあるとは限らない、という点は見落とされがちですが、実務的にはむしろ重要な視点です。SDGs 達成度ランキング 国別のデータは、政策立案者だけでなく、投資家やメディアが動向を追う際の参照材料としても使われています。
2030年までに達成できるのか
率直に言えば、難しいでしょう。国連自身も、複数の目標で進捗の遅れを認めています。ただし、期限までに完全達成できないからといって、この枠組みが無意味になるわけではないでしょう。SDGsとは、突き詰めれば単なる目標のリストではなく、世界共通の物差しとして各国・各企業・各個人が現在地を確認し、方向性を修正し続けるための土台なのです。そこにこそ、この枠組みの本質的な価値があると考えられます。
よくある質問
SDGsとはわかりやすく言うと何ですか?
SDGsとは、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」の略称です。貧困や飢餓、教育、ジェンダー平等、気候変動など、17の目標を通じて2030年までに達成を目指す、世界共通の行動計画だと考えるとわかりやすいでしょう。
SDGsの17の目標とは何ですか?
貧困、飢餓、健康・福祉、教育、ジェンダー平等、水・衛生、エネルギー、経済成長・雇用、産業・技術革新、不平等、まちづくり、生産と消費、気候変動、海洋資源、陸上資源、平和・公正、パートナーシップという17分野にわたる目標です。それぞれに具体的なターゲットと指標が設定されています。
SDGsは2030年までに達成できますか?
率直に言えば、すべての目標を2030年までに達成することは、現実的には難しいと言わざるを得ません。国連自身も、複数の目標で進捗の遅れを指摘しています。ただし、達成できないから無意味というわけではなく、方向性を共有する枠組みとしての意義は大きいと考えられます。
SDGsはいつ、どのように採択されましたか?
2015年9月、ニューヨークの国連本部で開催された「持続可能な開発サミット」において、国連加盟国の全会一致で採択されました。「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」という文書の中核をなす目標群として位置づけられています。
SDGsとMDGsの違いは何ですか?
MDGs(ミレニアム開発目標)は2000年から2015年を期限とした、主に開発途上国の貧困・保健課題に焦点を当てた目標でした。SDGsはその後継として、先進国も含めたすべての国が対象となり、環境・経済・社会をより幅広く統合した目標体系へと発展しています。
日本政府はSDGsにどう取り組んでいますか?
日本政府は2016年に「SDGs推進本部」を設置し、内閣総理大臣を本部長として、実施指針や具体的なアクションプランを策定してきました。地方自治体向けの「SDGs未来都市」の選定など、国内での実装を後押しする制度も整備されています。
企業がSDGsに取り組む理由は何ですか?
投資家や取引先からの評価、人材採用における訴求力、そして長期的な事業リスクの低減といった観点から、SDGsを経営戦略に組み込む企業が増えています。日本経団連も「Society 5.0 for SDGs」という考え方を掲げ、経済成長と社会課題解決の両立を呼びかけてきました。
個人としてSDGsのためにできることはありますか?
食品ロスを減らす、節電・節水を意識する、フェアトレード商品を選ぶといった日常の選択も、SDGsの目標につながる行動です。壮大な目標に見えても、一人ひとりの消費行動や情報の受け取り方の積み重ねが、社会全体の変化を後押しします。
SDGsの達成度はどのように評価されていますか?
国連のハイレベル政治フォーラムでの各国報告に加え、独立系のシンクタンクが毎年公表する国別の達成度評価も広く参照されています。指標ごとの進捗を点数化し、国際比較できる形で示す試みが続けられています。
SDGs 達成度ランキング 国別で日本はどの位置にいますか?
SDGs 達成度ランキング 国別の評価では、日本は健康・教育・インフラ関連の指標で比較的高い評価を得る一方、ジェンダー平等や気候変動関連の目標では課題が多いと指摘され続けています。総合順位は上位グループに位置しつつも、内訳には明確な偏りがあります。
SDGsウォッシュとは何ですか?
実態を伴わないまま、SDGsに取り組んでいるかのように見せかける宣伝や表示のことを指します。ロゴやバッジを使うことだけが目的化し、事業内容や労働環境の実態が伴っていない場合、SDGsウォッシュとして批判の対象になります。
SDGs 目標1「貧困をなくそう」とは具体的に何を目指していますか?
SDGs 目標1「貧困をなくそう」は、あらゆる形態の貧困を終わらせることを目指す目標です。世界の貧困ライン とは、生活に最低限必要な水準を金額で示した国際的な基準であり、この基準を下回る人口の割合を減らすことが、目標1の中心的なターゲットの一つです。
SDGs 目標5「ジェンダー平等」とはどのような目標ですか?
SDGs 目標5「ジェンダー平等」は、すべての女性・女児に対する差別の撤廃と、意思決定への平等な参加を目指す目標です。児童婚の撤廃も、この目標の明確なターゲットの一つとして位置づけられています。
世界の貧困ライン とは何を基準にしていますか?
世界の貧困ライン とは、世界銀行が定める国際的な指標で、1日あたりの生活費が一定額を下回る状態を「極度の貧困」とみなす基準です。生活コストの違いを反映するため、購買力平価(PPP)に基づいて算出されており、時代に応じて見直しが行われてきました。
SDGsの17のゴールはすべて同じ重要度ですか?
公式には優劣をつけない構成になっていますが、実際には国や地域の事情によって優先度が異なります。ある国では貧困や飢餓への対応が急務である一方、別の国では気候変動や不平等の是正が優先課題として扱われるなど、力点の置き方には差があります。
SDGsとカーボンニュートラルはどう関係していますか?
目標13「気候変動に具体的な対策を」が、カーボンニュートラルをめぐる議論の土台の一つになっています。日本政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの方針も、SDGsの気候変動目標と軌を一にする政策として位置づけられています。
SDGsに法的拘束力はありますか?
法的拘束力を持つ条約ではなく、国連加盟国が自主的に取り組むことに合意した目標という位置づけです。罰則があるわけではありませんが、各国が定期的に進捗を報告する仕組みが設けられており、国際社会の中での説明責任を伴う枠組みになっています。