| プラン・マンスリー・サポーターでは、2007年7月から新たにバングラデシュにおけるストリート・チルドレンを対象としたプロジェクトへの支援を開始しました。 首都ダッカに現在およそ40万人いると言われるストリート・チルドレン。その多くが栄養不良で、危険な条件下の仕事に従事しています。 また身体的・性的な虐待や搾取を受けることも多く、世間からは差別を受けることもあります。 プロジェクトではダッカにおいて年間約1500人のストリート・チルドレンを対象に、教育・職業訓練、保健、保護、カウンセリング、貯金サービスなど多岐にわたる支援をしていきます。 4月にダッカを訪れた山本職員からの報告をお届けします。 |
●バングラデシュ 「ストリート・チルドレン支援プロジェクト」 視察報告
| バングラデシュの首都ダッカで路上生活をしている子どもたちの保護施設、「ドロップイン・センター」のひとつであるガブタリ・センターを2007年4月に訪問した際の様子をお伝えします。 |
| ごみがたまり、排水が溢れている狭い路地の奥の古い建物に、ガブタリ・センターはありました。台所とトイレ以外には4部屋ほどしかない狭い施設ですが、事務所として使用されている小部屋以外では、子どもたちが遊んだり、休息したり、勉強したりしていました。奥の部屋では、皆お絵かきに夢中です。他の部屋では、楽器演奏者たちがボランティアとして歌を教えていました。一番大きな部屋では、テレビを見たり、おはじきのようなゲームで遊んでいる子どもたちのなかで、大の字でぐっすりと昼寝をしている子どもたちもいます。よほど疲れているのでしょう。 |
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子どもたちは、突然訪問した外国人の私に恥ずかしがることもなく、すぐに打ちとけてくれました。私が日本の歌を歌うと、最初はぽかんとした顔でしたが、だんだん手拍子を取ってくれるようになりました。描いている絵について質問すると、屈託のない様子で仕事や身の周りのことを説明してくれ、ここにいることが楽しいと目を輝かせて言いました。彼らの実情を知ろうと質問している私の方が泣けてきそうで涙を堪えるのが大変でした。 1時間あまりの滞在でしたが、握手を離してくれなかったり、描いた絵をくれたりと、なかなか出発できませんでした。 |
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ストリート・チルドレンは、寝場所の有無や、両親あるいは親戚などの身寄りの有る無しによって、AからDまでの4段階に分類されています。もっとも過酷なAグループは、路上で働き、寝泊りし、まったく身寄りが無い子どもたちのことです。全体の約40%と見積もられているこのAグループが宿泊の対象者となっています。男女比は、ダッカ全体では7対3程度と見られていますが、女の子は、性的虐待や暴力の対象となる危険が男の子より大きいのです。 |
| 路上ではやっかい者として扱われ、「お前」といった呼ばれ方しかされない子どもたちも、ガブタリ・センターでは、一人一人の人格が尊重され名前で呼ばれます。センターでは利用者を対象とした貯金サービスも行なっており、また宿泊する子どもたちのために、小さいながら個人用のロッカーも用意されています。こうしたことはどれも子どもたちが路上では得られないものです。 |
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| ■ シェルターを利用している少女の声 「見て!これ、わたしのロッカーよ。わたしの名前が書いてあるでしょ。お金もここで預かってもらえるの。外では親方だけでなく仲間からもお金や物を取られたりするから助かります。」 |
| 現在プラン・バングラデシュがパートナー団体と協力して、ストリート・チルドレンの保護および教育活動を実施する拠点として運営しているドロップイン・センターは、ダッカ市内に計7ヶ所にあり、宿泊できるシェルター(男子用4ヶ所、女子用3ヶ所)としての機能もあわせもっています。今回訪問したカブタリ・センターは女子用シェルターで、25人程度が宿泊できます。 パートナー団体のASD(スラム住民支援-Assistance of Slum Dwellersの略)との協力で運営しているガブタリ・センターは、毎日60から70人の少年少女が利用しており、4名の常駐スタッフの他、識字・音楽などの教育のために数人のボランティアが来ています。 |
| シェルターにいる十数人の少女たちへのインタビュー : | |
| Q.あなたが困っている日々の問題は何ですか? | |
A.
| 売春を強要されたり、強姦されること。収入が少ないと親方に殴られること、警官に売り上げを取り上げられたりすること。 |
| Q.今どんな仕事で収入を得ていますか? | |
A.
| キャンディー売り、ごみ拾い、花売り、水売りなど。 |
| Q.1日の収入はどのくらい? | |
A.
| 30タカ(約50円)もあればいいほう。 |
| Q.自分の今の気持ちを素直に話してください | |
A.
| 愛情がとても欲しい。今の自分の状況に強い怒りを感じる。親のことは忘れたし何の思いもない。過去には良い思い出はない。 |
| Q.将来の夢は何ですか? | |
A.
| 結婚して普通に暮らしたい。縫製工になりたい。医者になりたい。マネージャーや秘書などビジネス関係の仕事に就きたい。 |
毎日数千人単位で増加するスラムが30万人に上るストリート・チルドレンの問題を生み出し、治安などを含む状況を日々悪化させているダッカの現実は、やはり農村では手に入らない現金収入の魅力が大きく働いていることを実感させるとともに、子どもたちがその境遇にもめげず明るく将来への夢さえ持ってがんばっている姿をも一時的な解決にすぎないのではないかという危惧を抱かせました。 しかし、スタッフの一人が別れ際に言った「一人の人間として接してもらえる場所、安心して昼寝ができる場所、そして同世代の子どもたちと遊べる場所での楽しい記憶は、たとえ短くても心の栄養として蓄積され、彼らは外でつらい目にあっても耐えられるのです。」という言葉に、継続して支援していかねばならないとの思いを新たにし、ダッカを後にしました。 |