●48歳で夢を叶えたアリス 〜マラウィの母子保健プログラム
(2007年7月10日更新)
| マラウィのプランの活動地域、カスングに暮らすアリス・ムファンデは、カムパリロという小さな村の5人の子どもがいる家庭に生まれました。アリスは小学校に入学できたものの、両親には安定した収入がないため学費が支払えず、4年生のときに中退。アリスにとって学校は遠い存在でした。 |
| アリスは14歳の時、カスングにあるンカメンヤ・ミッション病院で清掃員として働くことにしました。「私は看護師に憧れていましたが教育を受けられなかったので、せめて清掃員として病院で働こうと思ったのです」。しかし村の人や親戚が「アリスは町の生活にさらされて売春婦になってしまうよ」などと両親に吹き込んだため、アリスは仕事を辞めさせられ家に連れ戻されたのでした。 |
| それでも夢を諦めなかったアリスでしたが、すぐに家族を喜ばせるには『結婚』しかありませんでした。そして現在の彼女の愛する夫と結婚し、男の子を出産。そのアリスにとっての初産は病院でもなく、看護師の付き添いもない中、伝統的助産師だったアリスの祖母によって行われました。子どもを授かった幸せと祖母の仕事に身をもって触れたアリスに、改めて看護師になりたいという夢がよみがえってきたのです。「いつしか私は祖母を手伝うようになり、どのように出産を行うのか学んでいきました。そして私は出産に立ち会うようになり、数年が経ってコミュニティの人びとから伝統的助産師として認められるようになりました。教育も訓練も受けていない“コミュニティナース”ね(笑)」
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そんな折、プランは協力団体とともに伝統的助産師トレーニングを計画。コミュニティを代表してアリスは、1ヶ月に渡るトレーニングをカスング郡病院で受けました。熱意と既にあった分娩の経験から良い成績を修めたアリスは、プランから分娩に必要なキットや文房具をもらい『訓練を受けた伝統的助産師』として認められました。「これこそ私がずっと探し求めていたこと!私が望んでいた看護師ではないけれど、村でそれに似た仕事ができるんだわ!」アリスは満面の笑みで言いました。 |
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| 「理解ある夫を私にお与えくださった神に感謝しています」とアリスが言うとおり、その後のアリスの活躍と働き者の夫の助けには目を見張ります。二人はわらぶき屋根でレンガ造りの産院を建設。そこには3つの部屋(分娩室、お産の近い妊婦の部屋、家族の部屋)があります。アリスはここを利用して、人びとに衛生的な習慣も広めています。施設内にはアリスの家族用と妊産婦用の2つの落とし込み式トイレ、手洗い場や素晴らしい排水システムがあるバスルームなども設置。また産院の利用者が食器や調理器具を乾かすための棚も2台作りました。さらに台所や野菜畑も建設中です。
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しかし問題もあります。何も持たずに隣国ザンビアから訪れる患者や、出産にかかる費用(250マラウィクワチャ=約220円)を支払えない人もいます。そんな患者にはアリスと夫は私財を投じて彼女たちに食事や寝具類などを提供しています。
その結果、2001年1月から2006年6月末までにアリスは893人の出産前検診を行い、677人の子どもを取り上げ、出産に伴う母子の死亡はゼロ。病院に報告すべき危険なケースはほとんどありませんでした。
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| 今後の将来計画について質問されたアリスは、こう答えてくれました。
「ここが大きく成長し、みなに知られ、より良い出産のために一人一人の健康を保つことです」
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