● 「ビフォア/アフター」 プランの活動の始まりと終わり 〜パラグアイ〜

(2007年1月11日更新)

プランの活動初期と活動終了時のコミュニティには、どのような違いが見られるのでしょうか?多くの支援者の方が興味を持たれるかもしれません。その違いを確かめるために、11月にプラン・パラグアイへ行ってきました。プラン・パラグアイの活動する現場で私が実際に見て、聞いてきた内容をここで皆さんにお伝えしたいと思います。

◆活動を開始したコミュニティの例 :グアイラ県 パソヨバイ/パラグアリ県 ムジャペ

これらのコミュニティは、他活動地にくらべても首都アスンシオンからかなり遠く、貧困の度合いはさらに厳しくなります。首都には比較的雇用の機会があり、医療施設などインフラもある程度整備されていますが、遠距離に加えて悪路のため、人々が首都へ行き来するのはとても困難です。そのため、子どもが病気にかかっても病院に連れて行けず、人々は伝統的なハーブ(薬草)などを用いた伝統療法に頼らざるを得ません。

コミュニティへ移動中、でこぼこだらけの道を器用に運転しながら、スタッフは短いクラクションを頻繁に鳴らし、手をあげています。すれちがう車、歩いている子どもたち、牛をひく人々など、行き交う全ての人々にあいさつしているのです。コミュニティでも、人々がどこからともなく集まってきてはスタッフと抱き合ってあいさつし、楽しげに会話をしています。



誰が来ても「やあ!○○さん!」と握手しているその姿を見て、プランがどれだけ住民との関係を大切にしているか、実感できました。
活動初期に、コミュニティの人々からどれだけ信頼を得て、プランの活動を理解してもらえるかどうかがその後の活動の成果を大きく左右すると現地スタッフは言います。

■  チャイルドの家。藁と木材でできた簡素なもの
 
■  トイレ。屋根があるのはいい方。穴がいっぱいになるとまた別の場所に穴を掘って移動する

 <スタッフ/ボランティアの人々の声>

初期には人々は非常におとなしく、口が堅い。意見を表すことに慣れていないため、ミーティングではいろいろと苦労しています。
子どもたちも受身で内気。大人や大勢の前で意見を言うことや、自分たちで自主的に何かをするということに慣れていないようです。
できるだけ自分の担当のコミュニティに毎週のように足しげく通い、住民とコミュニケーションをはかるようにしています。。至る所でプランの車やロゴ入りのキャップ、Tシャツ等を着用して、いつもプランの存在を感じてもらうよう心がけています。

■  学校のトイレ〔屋外〕。中は昼でも真っ暗
 
■  教室の机。ぽっかりと穴が開いていた

活動を始めてから約10年〜20年。プロジェクトの成果が実を結び、プランが撤退する時がやってきます。

◆活動を終了したコミュニティの例: コルディジェーラ県 エンボスカーダ

近づくにつれ、様子が一変するのには驚きました。きれいな舗装道路、設備の整った学校、家も藁でなくレンガ造りが多く、町並みもずっときれいです。
■  道路が平ら!舗装されている!首都でもここまできれいな道路はまれ

■  プランの建設した学校。元気な子どもたちとボランティア
 
■  きちんと男女別に分かれたトイレ。手も洗える

 <ボランティアの声>

ブランカさん(ボランティア歴11年。予防接種キャンペーンなど保健プロジェクト担当)
プランが活動を終了すると聞いて、最初はとても残念でした。でも長い間政府や自治体の手も届かなかった私たちのコミュニティで、プランがしてくれたことにとても感謝しています。これからも、プランの力になれるようなことがあれば、どんなことでも協力するつもりです。
マーサさん(ボランティア歴6年。水と衛生プロジェクトを担当)
人々にプランの活動終了の決定を伝えたとき、多くの人が泣きました。プランは本当に私たちの生活の一部だったのです。けれども今は、私たちが自分たちで立てた当初の目標に到達したこと、もう自分たちでやっていく時がきたのだと十分に理解しています。お別れのイベントには本当にたくさんの人が集まり、別れを惜しみました。

■  十分なスペースのある机。グループワークもできる
 
■  プランのロゴの入ったイス

学校を案内しながら、校長先生が説明してくれました。この教室も、このトイレも、この調理器具も、設備が整ったのはみんなプランのおかげです、と。しかしそこで、現地スタッフが一言添えた言葉が今でも忘れられません。「こうして形に残っている成果もあるけれど、目には見えない成果のほうが多いのです。たとえば、数え切れないほど行われた、住民へのトレーニングとミーティングがそうです。」
その一言に、このコミュニティでの活動の始まりから終わりまで住民と協力し、全てを見届けた彼の、万感の思いがこめられているようでした。人々の意識を高め、その能力を育てて活用し、自立にまでつなげることは、ただ単に建物を建て、プラン中心で活動を行うことよりもはるかに難しく、時間がかかります。じっくりと人々と向き合って信頼関係を築き、共に歩みながら確実に成果をあげてきた結果、プランがこんなにも愛され、惜しまれながら去ることができたということを、心から誇らしく思いました。

プラン・パラグアイは、今後さらに遠隔地の、支援がより必要とされる地域への活動を進めています。プランが活動を始めて約10年、パラグアイはプランの中で比較的新しい活動国といえます。今回の出張で、現地のスタッフが地域の人々とともに歩み、子どもたちと地域の向上のために尽力していることを強く実感することができました。今後もその努力が続けられ、さらなる大きな成果へとつながることを祈ってやみません。

トップページへ戻る閉じる