● よみがえった笑顔  〜 保育所の心理ケアでトラウマを乗り越えた少女、インド 〜

(2006年12月1日更新)

プリーティは3歳の女の子。彼女が家族と暮らすタミルナドゥ州の小さな島は、2004年12月26日に発生したスマトラ沖地震で津波に見舞われ、29人の住民が犠牲となりました。

津波で心に大きなショックを受けたプリーティは涙が途切れることがなく、家から200メートル先にある海から波や風の音が聞こえてくるだけで落ち着きをなくしていました。両親は彼女を泣き止ませようとしましたがうまくいかず、彼女のすすり泣く声に家族は夜も眠れなくなってしまいました。

 
■  写真撮影にポーズをとってくれたプリーティ

困り果てた母親は、2005年7月、家の近くの保育所にプリーティを連れて行きました。この保育所は、津波緊急支援の一貫として、被災地の幼い子どもたちを保護し、子どもたちの心の傷をケアするため、2005年3月にプランが設立したもの。保育所ではカウンセラーと保育士がプリーティを泣き止ませようと努力しましたが、彼女は一人ぼっちで部屋の片隅に座り、一日中しくしく泣いています。音にも敏感に反応し、風や雨、人の声も極度に怖がります。当時のプリーティは、まるで出口のないトンネルに入ってしまったかのようでした。

それでもカウンセラーと保育士は忍耐強く彼女に接し続けました。出来るだけ多くの時間を彼女と過ごし、時には彼女のために祈りました。6ヶ月が過ぎた頃、プリーティのすすり泣きは徐々に減り始め、他の子どもたちと少しずつ遊ぶように。そして2006年1月9日。ついにプリーティはトンネルの出口を見つけました!彼女は泣くのをやめ、歌や踊りに興味を示して子どもたちと遊び始めたのです。その日を境にプリーティはとても活発になり、今では弟や友だちと元気に遊んでいます。彼女は津波のショックを乗り越えて、今はどんな音も怖がることはありません。

プリーティの父親は次のように話します。「津波の後、泣いてばかりいる娘を見て、ほんの数秒でも彼女の笑顔を見たいと心から願っていました。あきらめずに助けてくれた保育所のスタッフとプランに感謝しています。」

プリーティはまだ海を怖がって近づこうとしません。
プランは彼女が自然と共存する意味を理解し、再び海で遊ぶ日がくることを願っています。

 
■  父親に抱かれ安心の表情のプリーティ
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