● さらに若者の参加を上げるには?〜エルサルバドルの、ある若者グループの悩み〜

(2006年7月4日更新)

プランは「子どもとともに進める地域開発」に取り組んでいますが、活動国での、子どもたちの参加はどのように進んでいるのでしょうか? 今回は、エルサルバドルへ出張したプラン・ジャパン職員がS村の若者グループのメンバーから悩みを打ち明けられ相談を受けた際の報告です。

私は4月後半に、エルサルバドル中部にある村の、若者版コミュニティ開発委員会(以下、委員会)の集会に参加しました。383世帯、約1700人が住むこの村では、2002年に4、5人のメンバーが委員会を立ち上げ、現在は15〜18歳の年齢層を中心に35人が参加しています。訪問した当日は、委員長のエルネスティーナら約15名のメンバーと、彼らの活動を支える大人7、8人が集会に参加していました。

 
■  若者版コミュニティ開発委員会の活動を紹介するボード

まず、エルネスティーナが申し訳なさそうに、「もっとメンバーはいるのですが、勉強や仕事、農作業の手伝いなどで来られない人もいて・・・」と説明。そして、参加者の自己紹介ののち、委員会の活動内容の説明が始まりました。彼らは、性感染症やHIV/エイズ、麻薬やアルコールの問題について勉強会を開いたり、人前での話し方を学ぶほか、球技などのスポーツやダンス大会も行い、時間を持て余して非行に走ることのないように工夫して活動しているそうです。
活動内容を紹介したボードには、スポーツ大会でトロフィーを獲得している写真等があり、私に元気よく説明する様子からも、充実した活動をしているように感じました。
しかし、女の子の参加率が高いという話に端を発し、当日参加していた男の子 3 人に委員会への参加の動機を質問したころから、委員会のメンバーが運営に関して悩みを抱えていることが垣間見られ始めました。

 
■  昨年9月から参加しているフェルナンド
 
■  委員長のエルネスティーナの口から、悩みが語られはじめました

フェルナンド: 「ぼくは高校 3 年で、仕事もしているけれど、コミュニティの支えになりたくて参加しました。男の子の参加が少ないのは、自由に使える時間がない人が多いからだと思います」

エルネスティーナ: 「仕事や勉強が理由で委員会の活動に参加にしない人もいるけれど、親が許してくれなくて参加できない人もいるんです。活動に参加していない若者たちに、委員会の活動参加招待状を送ったことがあるのだけれど、あまり効果が得られなかったわ」

年配の女性: 「私たち大人は、招待状を子ども本人にではなくて、親宛に送ったほうが効果的と思っているんですよ」

エルネスティーナ: 「なかなか参加者が増えないの。あなたは、どうすれば参加者が増やせると思いますか?」

私には、委員会の認知度が不十分であること、また委員会の活動内容が親たちに正しく伝えられていない、あるいは理解されていないことが主な要因と思われました。そこで、その懸念を伝えたうえで、2つ提案しました。

1) 性感染症・HIV/エイズなどについて学んだことを、現在は委員会メンバーだけで教え合っているとのことだが、例えば、委員会メンバーが学校で講座を開くような工夫をしてみてはどうか。学校の協力体制が必要になるが、実現すれば、学校の仲間にも委員会の活動を理解してもらえる機会になるだろう。他の活動地域では、同様の方法も取り入れている。

2) 他の女性が提案したように、招待状を若者に対してではなく親宛に出してはどうか。先に提案したような学校での講座が実現するなら、その講座に招待するのも効果的だろう。

エルネスティーナたちは、うなずきながら話を聞いていました。どうやらエルネスティーナたちは、この提案を聞いて何らかのヒントを得たようです。最後には、大人たちも一緒になり、拍手で賛成の意を表しました。

この村のケースは、数ある活動地域のほんの一例に過ぎないでしょう。世界の活動国の若者も、このように悩み、試行錯誤しながら地域開発に取り組んでいます。彼らがさまざまな課題を乗り越え、また一回り大きくなることを心から願いました。

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