●母から娘へ 代々受け継がれるカニャール地方の伝統的ポンチョ作り 〜エクアドル〜
(2006年1月1日更新)
「ポンチョ」と聞けば南米で着用されている民族衣装、と思い浮かべる方も多いでしょう。色とりどりの鮮やかなポンチョ、実は大変な時間をかけて丹念に手作りされています。今回は、日本同様に冬の寒さが厳しいエクアドル南東部、カニャール地方におけるポンチョ作りをご紹介します。
アンデス山脈が南北に貫くエクアドルでは、ポンチョは高原に住む農夫や先住民族が長い間着用してきた大切な衣服です。アンデスの厳しい寒さから身を守るためのもので、すべて羊毛で作られています。しかし、プランのアウストロ活動地域(#422)を含む南東部カニャール地方では、ポンチョは単なる防寒着にとどまりません。身にまとったポンチョが良質で洗練されているほど、その男性は高い地位にあると言われ、地位の象徴でもあるのです。
ではさっそくポンチョの製作にかかりましょう!とはいっても、いきなり針と糸を持つわけではありません。羊を育てることからがスタートです。そう、ポンチョ作りは羊の誕生から始まるのです。羊の養育から始まるポンチョ完成までの過程では、女性が非常に重要な役目を担っています。これは世代から世代へ、母から娘へと受け継がれてきた伝統なのです。
さて、子羊が成長してその羊毛も十分に成熟の時期を迎えました。ここからは次のような手順で製作が進んでゆきます。
- 羊の毛を刈ってよく洗う。
- 毛を乾燥させ、糸をつむぐ 。
- つむいだ糸を天然の染料で染める。とても鮮やかな色が使われます。
- 糸を織る。ここでようやく男性の出番です。
- それぞれのパーツを縫い合わせ、すそに刺繍をしてできあが り!
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毛が刈られている親羊を心配そうに見つめる子羊。 |
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このようにして美しく仕上げられたポンチョは、特別な儀式やお祭りといった重要な場面で男性が着用することになるのです。アンデスの伝統によると、より多くのポンチョを持つ男性は良い妻を持っているとされ、また女性は丹精こめて作ったポンチョを夫に着てもらうことに誇りを持つのだそうです。
カニャール地方の人々は、旅行者や支援者を含む外部からの訪問者に対し、ポンチョを着て歓迎の意を表します。もしもあなたがポンチョを贈られたとしたら、もうおわかりのように大変な名誉と思えることなのです!
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