●子どもたちの「父親を持つ権利」 〜ブラジル〜                     

(2008年8月1日更新)

「ぼく/わたしのお父さんを認めて!」こんなキャンペーンがブラジルで広がっています。

婚姻届を出していないカップルに生まれた子どもたちの戸籍に記載される親権者は、母親だけの場合がほとんど。父親である男性には、子どもの養育義務が生じません。その結果、母親に大きな経済的、精神的な負担がかかります。また子どもたちは、両親が別居したり、母親に万が一のことがあった場合、その後の法的な保障が何もない弱い立場におかれているのです。
一方、男性側も、自分が父親として認められたくとも、役所での手続きに時間と費用がかかるために、断念せざるを得ない状況がありました。

 

プランは、政府機関やユニセフらと協同でこの課題に取り組んできました。キャンペーンでは様々なメディアを通して子どもの権利や親たちの権利を訴え、学校でも授業を行うとともに、期間中に無料で親権者登録を申請できる窓口を設置しました。窓口での相談や、書類の審査、手続きはすべてボランティアが担っています。

キャンペーンが実施されているのは、ブラジル北東部のペルナンブーコ州。州都レシフェを中心にブラジルでも有数の人口密集地域として知られます。州内では、およそ460万人が貧困生活を強いられ、3分の1の世帯が母子家庭といわれています。

2006年に行われた最初のキャンペーンでは1,680人の父親が親権者登録を行いました。今回はすでにキャンペーン参加者が1,700人を越えており、さらに大きな反響を呼んでいます。

キャンペーンのポスター 
「“これが私のパパ”−
子どもたちにはそう言う権利がある」

<ソランジェと家族の場合>
25歳のソランジェは3人の子どもとレシフェ市近郊に住んでいます。父親は今まで親権者として登録されていませんでした。生業とする漁業の収益は一日当たり2米ドル以下にすぎず、手続きにかかる費用(約150米ドル)を捻出できなかったのです。このキャンペーンをきっかけに、子どもたちは公的に父親を得ました。

「今の生活は変わりませんが、子どもたちの未来を思うと、とても安心です」−ソランジェ

 

 
キャンペーン窓口で登録手続きをする男性と家族

「ぼく/わたしたちには父親を持つ権利があります。いいお父さんになって!」子どもたちからのメッセージです。