●「村の学校」が子どもたちにチャンスをもたらした 〜タイの非公式教育学校〜                     

(2008年6月4日更新)

タイでは日本の小学校と中学校にあたる9年間が義務教育期間です。しかしすべての子どもたちが順調に学校に通っているわけではありません。例えば、タイ北部のチェンライでは、9年生までに学校を中退し復学しない生徒が生徒全体の20%に上ります。

プランは、中退後復学しない7歳から16歳の子どもたちに学ぶ機会を与え、再び学校に戻れるようにするため、チェンライの教育課と協力し「村の学校」を設立しました。この学校は、現在タイで2校ある非公式教育を実施する学校のうちの1校で、男女半数ずつ約40人の生徒が学んでいます。学校では、実用的な知識、倫理や道徳などについての授業が行われ、生徒は毎月、週末に少なくとも2日出席する必要があります。また卒業時には正規の学校へ進学する際に使える修了証書が渡されます。  
きれいに色が塗られ親しみやすい「村の学校」

またこの「村の学校」に入学を申し込んだ生徒は、全員カウンセリングを受けなければなりません。正規の学校であるマエジャン小学校と「村の学校」の校長を兼任しているサワンさんはこの学校について話してくれました。
「ここの約40人の生徒それぞれが異なった事情を抱えています。例えば、3人の生徒は妊娠しています。だからこそ開かれた自由な環境を作り、子どもたちが再び勉強できるよう彼らを受入れ、励ます必要があるのです。カウンセリングは子どもたちが自信を取り戻し、卒業する望みを持つための手助けになります。」

現在「村の学校」で学ぶチャイは、何度かけんかをしたために以前の学校を退学処分になりました。最後に前の学校へ行った日には、こんなことがありました。
「僕は保留扱いになっていた成績について先生に聞きに行きました。すると先生は僕のほほを叩き、背中をぶったり蹴ったりしました。以前他の生徒と喧嘩をしたことがあるので、先生は僕が成績について尋ねに行ったということを信じてくれず、大きな声で怒鳴りました。でも僕は先生に助けて欲しかっただけなのです。」

ソムサックは前の学校での最終成績が最低評価でしたが、今は「村の学校」で勉強しています。将来について尋ねると、修士号を取得したいと教えてくれました。彼は「村の学校」の9年生を卒業後、コンピューターについて学ぶため職業訓練学校に通う予定です。
「最初は僕のような成績の悪い生徒を受け入れてくれる学校があるとは思いませんでした。でも6ヶ月たった今では、優しいおじさんやおばさんと一緒に家で勉強しているみたいに感じます!将来はコンピューターの修理と販売もするインターネットカフェを開きたい。残り1ヶ月なので9年生卒業は確実だし、職業訓練学校に入学する日までの間もここで勉強したいんだ。家で何もせずに過ごすより、「村の学校」で勉強する方が良いからね。」

子どもたちは再び学ぶ機会を得て、元気に巣立とうとしています。

「村の学校」は、未来を担う子どもたち一人一人の可能性を広げているのです。

 

※注記:記事に出てくる子どもの名前は仮名です。