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ネパールからの通信物では、“○○ -Kumari“という女の子の名前をよく見かけます。クマリは「純潔な幼い少女」などを意味する言葉であると同時に、ヒンドゥー教の女神タレジュの現存する姿として、インドやネパールでは信仰の対象にもなっています。特にネパールではクマリ信仰は制度化され、儀礼上重要な役割を果たしています。
ネパールはヒンドゥー教を国教とする世界で唯一の国。国民の90%がヒンドゥー教徒ですが、釈迦がネパール中部で生まれたことから仏教も篤く信仰されています。こうした二つの宗教の共存・融和を背景に、クマリは仏教徒のネワール族の女の子から選ばれます。選ばれた少女は親元を離れ、初潮を迎えるまでの平均7年〜10年の間、世話係とともに「クマリの館」で暮らしながら、ヒンドゥー教と仏教それぞれのお祈りをしたり、人々の礼拝を受けたりして過ごします。クマリは全知全能の女神であり、教育を受ける必要がないとされているため、人間の生活に戻った元クマリの女の子は改めて小学校低学年のクラスに入らなければなりません。一部では、人権侵害にあたるのではないかとの声があることも事実です。
※参考文献:『アジア古都物語 カトマンズ 女神への祈り』/NHKアジア古都物語プロジェクト(編)