●プランの大きな特色「子どもとともに進める地域開発」

従来、途上国の生活改善を目指す活動の多くは、その専門家や地域を代表する大人たちが『子どものことを考えて』行ってきました。その背景には、「子どもは大人に意見するものではない」という文化や「子どもには無理」といった大人の思い込みがありました。しかし現実には、子どもは子どもなりの視点で自らを取り巻く状況を冷静に見ています。そしてその思いを表現する方法や場が提供されれば、立派に自分たちが求める地域の姿を伝えられることも分かりました。

国連で採択された「子どもの権利条約」に示されるように、当事者である子どもの意見を聞き、それを形に反映させ、可能な範囲で子どもたち自身も活動に参加できる仕組みが必要です。プランの進める「子どもとともに進める地域開発」とは、子どもも大人も、男性も女性も、誰もが主体的にかかわりながら、自分たちの地域をよりよく変えていくための活動手法です。プロジェクトによって子どものかかわり方はさまざまですが、この方法をコミュニティ住民が体得することによって、他のプロジェクトにも応用することができます。

準備
地域の子どもたちの集会を設定します。プランの職員は子どもたちとふれあいながら、彼らが発言しやすい雰囲気をつくります。何度か会を重ねるうちに、地域の子どもたちの声を吸い上げる役割をもつ「子どもクラブ」が結成されます。
現状把握
村にある問題や現状を知るために、「子どもクラブ」が「村の地図」を作成します。 2〜3人のグループで村の家々を訪問し、各世帯の経済状況を5段階評価します。この評価結果とともに井戸、学校などが地図に書き込まれていきます。完成した地図は、学校や村の掲示板など村人全員が見ることのできる場所に掲示されます
計画立案
「子どもクラブ」のメンバーで地図をもとに村が抱える問題の原因と結果を洗い出し、その解決のために今後 3〜5年間に村で行うべき「地域開発計画」をまとめます。村の代表者たちが集まる「地域開発フォーラム」で大人たちに説明をしながら必要があれば修正し、子どもの意見を中心にした「地域開発計画」ができあがります。
活動開始
最優先プロジェクトとして、村の衛生環境を向上させるためにトイレ建設があげられました。子どもと大人がともに「衛生委員会」を結成し、具体的な活動内容や役割分担を話し合います。「子どもクラブ」の担当は、知識普及活動に決まりました。
啓発活動
お芝居や歌を作り、「川などで排泄することによって飲料水が汚染され、子どもが病気になる」ことなどを表現します。文字が読めない村人も多いなか、お芝居や人形劇で知識を伝えていくことはとても有効です。子どもたちの晴れの舞台を観ようと、お芝居には大勢の村人が集まります。
トイレ建設
大人たちは世帯ごとにトイレの建設をスタート。建設に先立ち、トイレを建設する場所の選定の過程に子どもたちも大人とともに加わることがあります。
 評価
「実際にトイレを使っているか」「トイレを清潔に管理しているか」などを、子どもたちは村の家々を訪問して調査します。きちんと使っていない場合には、原因を聞きながら改善につなげます。設備を作るだけでなく、その設備を村人がきちんと管理・運営してこそプロジェクトは成功したといえます。
次のプロジェクトに
数年後には、他のプロジェクトを推進してきた委員会と、「地域開発計画」の当初の目標を達成できたかを振り返ります。反省点をふまえつつ次の「地域開発計画」を立て、同じプロセスをたどりながら、解決されなかった問題や新しく生まれた問題に取り組んでいきます。
出展図解:プラン・ニュース 69 号 P 4 の「子どもの参加」について   イラスト / 西島 尚美

 

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