ジンバブエの少女ジェシカ-15歳の家長
スポンサーシップ部アフリカ地域スポンサー担当 林 絢子
ザンビア・ジンバブエに滞在中、本当にたくさんの人たちと出会いました。チャイルドの手紙書きを助けるコミュニティ・ボランティア、使命感溢れる保健員、女性グループの元気なお母さんたち、子どもクラブで活躍する子どもたちやチャイルドたち・・・そのなかで、短時間の出会いながらもものすごく印象に残っている女の子がいます。ジンバブエで出会った15歳の少女、ジェシカ。
何らかの理由で保護者を失い子どもが世帯主となっている家庭の状況を知りたくて、私ほかプラン・ザンビアとイギリスのスタッフの3名とで、ある中学校を訪ねジェシカに出会いました。彼女は15歳にして一家の長です。突然外国人の大人に囲まれては彼女も緊張をするだろうと、私たちは彼女がリラックスできるように話をする場所を選び、座る位置にも気を付け、たわいもない話題から会話を始めました。そうしながら少しずつ彼女の生活について触れていきました。
■プラン・ザンビアのスタッフと
彼女は母親を4年前に亡くし、その後父親が家を出て行ったそうです。そのときに残されたのは、現在11歳、8歳、5歳の妹たちと弟、そしてジェシカ。幼い妹と弟を近くに暮らすおじとおばに預け、11歳の妹と2人で暮らしています。彼女は朝5時には起床して朝ごはんに主食のサザ(トウモロコシの粉を練ってこねたもの)を作り、片づけを済ませてから妹と学校に出掛けます。学校から帰れば必要なものを買いに出掛け、父親が残していった畑で作業をし、そこで採れた野菜を使って夕飯を作ります。毎日そのような生活を送っている彼女の現在の悩みは、食料品の確保と衣料品の購入。これが15歳の少女が悩むことでしょうか。日本の15歳の少女であれば、学校のことで悩んだり、オシャレや恋愛に興味を持ち始めて楽しいときではないでしょうか。
話題が学校のことに移り、おそらく学校では楽しい時間を過ごしているのではと、イギリスのスタッフが「何をしているときが楽しい?」と質問しました。すると彼女は静かに答えました。
「楽しいときなんて、ないです」。
もう私たちはそれ以上、彼女の生活について質問することができませんでした。しかし、その一言で彼女の現在の生活や悩みを理解したような気がします。
プラン・ジンバブエの各活動地域の事務所にはOrphan Support Coordinator(孤児支援コーディネーター)という孤児へのサポートに特化した仕事をするスタッフがいます。このことからも分かるように、ジンバブエの孤児の問題は深刻です。子どもたちが両親や保護者を失う大きな原因のひとつがHIV/エイズですが、そのHIV/エイズによってアフリカの伝統的な拡大家族の形態も崩壊しつつあり、このような子どもだけの世帯が増えています。ジェシカが医者になりたいという夢を持ちながらプランの支援によって学校に通い続けられているように、プランはできる限りのサポートはしますが、何よりも子どもたちの周囲にいる大人たちによる日常の温かいケアが必須だと思います。ジェシカたちが孤独を感じず、「守られている」という安心感を持てればと願わずにはいられません。

■元気なジンバブエの子どもたち
おまけ:
出張の合間に見かけた動物たちです。
プラン・ジャパン Staff日記




